
目次
富士山
昔から、日本人だからいつか登ってみたい。
と恋焦がれていましたが、なんせ体力的に自信ない。
けど、登りたい!!が勝ったお話です。

息子ちゃん!富士山、一緒に登ろうぜ!!

えッ?無理!

えッ???行こうや!!

夏休み、サッカーの練習も試合もあるし無理!!!

え~~~~~。。。

一緒に行ったろか???

えッ???行こうや!!てか、大丈夫か?受験勉強いけるんか?

行ったろ!って言うてるやろ!!

うおおおおおおお!
てな、流れで富士山登頂チャレンジ決定!!
調べ出す
ここから調べてみたところ、何やら大変そう…。えーっと、登頂ルートが4つある?
登山ルート | 富士宮ルート | 御殿場ルート | 須走ルート | 吉田ルート |
出発地 | 富士宮口五合目 | 御殿場口新五合目 | 須走口五合目 | 富士スバルライン五合目 |
出発地標高 | 2380m | 1440m | 1960m | 2305m |
山頂までの標高差 | 1396m | 2336m | 1816m | 1471m |
往復距離 | 10.0㎞ | 19.5㎞ | 14.0㎞ | 15.0㎞ |
登り所要時間 | 5時間10分 | 8時間20分 | 6時間55分 | 5時間55分 |
下り所要時間 | 3時間30分 | 3時間30分 | 3時間00分 | 3時間10分 |
平均勾配 | 31.0% | 21.6% | 22.7% | 23.0% |
マイカー規制 | あり | なし | あり | あり |
難易度 | B | A | B | C |
なになに、難易度A?登り所要時間長すぎ!御殿場ルートはパスパス。
吉田ルート?なんか聞いたことがあるな?難易度C?簡単なん?
そんなんパスパス。
富士宮ルートか須走ルートやな?
富士宮ルートのほうが五合目の標高が高いやん!山頂まで近いってことやん!
よっしゃ、難易度もBやし、富士宮ルートで決定やな!!
ぐらいの感じで登頂ルートを決定。
後に後悔することも知らずに…。
装備品《リュックに入れる物》
雨具 | ディパック(リュック) | 防寒着 | ライト | 水・お茶 | 行動食(おやつ) | 小銭 | タオル | スマホ | ゴミ袋 |
風が強く傘などは✖。 | 防水対策できるもの。30ℓぐらい。 | フリースで調整。山頂はさらに+したい。 | 両手フリーの頭につけるタイプ。 | 1ℓぐらい。途中購入はインフレ価格。 | 疲労回復。飴・チョコ・糖質。 | 道中トイレに必要。1,000円分ほど。 | 汗吹き・防寒・日差しよけ。 | 緊急連絡用・記念撮影 | 汚れた衣類・ゴミ持ち帰り用 |
ぐらいは必須です。
装備品《着用》
登山靴・トレッキングシューズ | ダウンジャケット | スパッツ・ゲイター | 登山ステッキ | 手袋・グローブ | ウェットティッシュ | 絆創膏・痛み止め | 日焼け止め | 布製ガムテープ | 携帯酸素 |
砂地だけでなく岩場も。 | 保温力〇・小さくたためる。 | 下山時に靴に砂の侵入防止。 | 折りたためるタイプが〇。 | 防寒・転倒時ケガ防止。 | 水道ないので手の洗浄。 | 高山病発症時の頭痛薬。 | 紫外線対策。 | 雨具の破れ補修。 | 高山病予防。疲労回復? |
トレッキングシューズは必須です。
足首まで保護してくれるものが理想です。
岩場を登ったり下ったりするので靴底の薄い靴は絶対やめたほうがいいです。
手袋も必須です。
万が一転んだ時に岩場に手をついた時の怪我を減少してくれます。
上に登れば登るほど気温が下がるので、防寒にもなります。
薄手のダウンジャケットも持って行って助かりました。
五合目あたりはまだまだ必要ありませんが、八合目辺りから必要になります。
持って行って良かったと思った予想外の一品は、『携帯酸素』です!!
マラソンや駅伝などで、ゴールした選手が吸っているアレです。
携帯酸素の効能はあとでお話します。
出発
2019年7月29日の朝4時過ぎに仕事から帰宅して、約二時間仮眠をとって10時過ぎに京都の自宅を出発。
目的地は新東名高速道路・新富士インターです。約3時間30分ですが、途中のパーキングで昼食を済ませて、15時に新富士インター到着です。
位置と特徴富士宮ルートは、富士宮口五合目を出発し、静岡県側(富士宮市内)の富士山南側から山頂を目指すルートです。
富士宮ルートの特徴
- 4つの登山ルートのうち、最も標高の高い位置から出発するため、山頂までの距離が短い。
- そのため、吉田ルートに次いで登山者が多い。
- 全体的に傾斜が急で、やや岩場が多い。
- 登山道と下山道が同じで、ルートを間違えにくい反面、混雑時は譲り合って登山することが必要。
http://www.fujisan-climb.jp/trails/fujinomiya/index.html
引用元 富士登山オフィシャルサイト
アクセスとマイカー規制鉄道・バスで富士宮口五合目までは、東海道新幹線三島駅、新富士駅、JR東海道線富士駅、JR身延線富士宮駅から登山バス(路線バス)を利用します。アクセス方法や時刻表は下記で確認できます。
マイカーで富士宮口五合目までは、東名高速道路御殿場IC、裾野ICから富士山スカイライン、または東名高速道路富士IC、新東名高速道路新富士ICから西富士道路、国道139号、富士山スカイラインを利用します。
【!】マイカー規制期間に注意
混雑する時期には、マイカー規制が実施されます。マイカー規制期間中は、富士山スカイラインは通行できません。マイカー規制期間静岡県では、毎年、環境保全と渋滞緩和を目的として富士山スカイラインについて、自家用車の通行を規制しています。(ただし、緑ナンバーのバス、タクシー等の通行は可能)毎年、登山ルートごとにマイカー規制の期間は異なります。
2021年のマイカー規制の期間は下記の通りです。
7月10日(土)9時~9月10日(金)18時詳細は下記で確認してください。
マイカー規制期間中のアクセスマイカー規制期間中は、自家用車は「水ヶ塚公園駐車場」に駐車し、そこから富士宮口五合目行きのシャトルバスまたはタクシーに乗り換えます。 駐車場及びシャトルバス、タクシーは有料です。 駐車場には、売店、公衆トイレが併設されています。 マイカー規制期間中の駐車場、シャトルバスについては下記で確認してください。
http://www.fujisan-climb.jp/trails/fujinomiya/index.html
引用元 富士登山オフィシャルサイト
水ヶ塚公園駐車場から五合目までバスで約40分です。
とりあえず無事に水ヶ塚駐車場に着いて無邪気に写真を撮り合う2人がこちらです。

当時高校2年生の娘ちゃん

運転疲れたなーぐらいのパパちゃん。この時は興奮気味でナチュラルハイ状態。
バスに乗って五合目を目指します。
バスの料金は片道1,150円、往復1,500円です。もちろん往復で。
この時は本当にテンション高めです。余裕があったのも五合目に到着して、富士山を見上げるまででした…。
五合目到着
遠くに見えるのが山頂です…。しかもこの頃から小雨が降りだしました…。
ビニール素材のジャンパーを羽織ります。

はよ登ろうや!!

まだアカン!!頭痛出たら大変や。

わかったわ!!

20時なるしそろそろ行こかー!!

オッケー!!
五合目⇒六合目
雨がしとしと降るなかスタート。
日の出を山頂で見たい!!
六合目までは所要時間20分。
慣らしに丁度いい。
暗闇の中、頭に付けたライトで照らしながらテクテク緩やかに登ります。

余裕やな!!

もう六合目着いたな!
山小屋の前のベンチに座り、10分ほど休憩して出発!水を一口飲む。
このとき時刻20:30。
標高2,490m。
六合目⇒新七合目
七合目まで約60分。さあ本番。
まだなだらかな印象ですが、微妙に傾斜キツイ…。
岩が多いな。見たことない高山植物が混在してます。
暗いので、前方を歩いている人のヘッドライトが動いています。
かなり遠くを歩いている人を確認できるのですが、遠くにいるその距離感で気持ちが疲れてきます。。。
七合目到着、次は八合目と思った瞬間、何やら違和感が…。

新七合目って?

えッ?

看板に次は元祖七合目って!二個も七合目いらんやろ!!
七合目が2つあることを全く知りませんでした。。。
急激に登るのは高山病のリスクがあり、テンションも下がったのもあり、長めの25分休憩。
このとき時刻22:10。
標高2,780m。
新七合目⇒元祖七合目
このあたりから急な坂道が続きます。次が八合目だと思っていたため、精神的ダメージが。。。
まだまだ体力的には余裕があったので、お互いもくもくと登ります。
しかし、これがアダとなることに…。
元祖七合目まであと少しのところで、休憩していると、

なんかちょっと頭が痛い気がする…。

大丈夫?次で長めの休憩しよ!
元祖七合目到着。
早いペースで登りすぎたのでしょう。
高山病の症状かもしれません。
30分休憩して、水分補給しました。
このとき時刻23:30。
標高3,010m。
元祖七合目⇒八合目
八合目まで所要時間50分と書いてありますが、高山病を警戒してゆっくり登ります。

めっちゃ傾斜きつくない?

た、確かにな。

もうすぐ八合目やけど、ロッククライミングやな、足元気を付けろ!

うん。想像と違うな…。
八合目まであと少しの登山道が岩場をよじ登る感じで、一気に体力を持っていかれました…。
なんとか八合目到着。

大丈夫?

頭が痛い、ロキソニン(痛み止め)飲むわ…。
このとき時刻01:00。
標高3、220m。
20分休憩。
八合目⇒九合目
先ほどの岩場から一転、砂地が続きます。
周りには大きい岩もちらほら程度。

頭痛、どう?

ロキソニン、全く仕事しよらへん!!
頭、めっちゃ痛い…。
娘ちゃんの高山病が心配です。
負けん気が強すぎるので、我慢して高山病が悪化しないか、気を付けて観察する。
八合目を出発する前に山頂を見上げたのですが……、

山頂見えねぇ~~~~~!もう八合目だよね?
この時点で、かなり心折れそうになりました。
ここであらためて富士山の大きさを再認識です。
休憩のたびにリュックをおろして、ペットボトルを取り出して水分補給していたのですが、

リュックをイチイチおろすのしんどくない?

確かに。また背負うのしんどいな…。

お互いのを入れ替えて入れたらええやん!!背負ったまま、パパちゃんのリュックから私のを出したら楽やん!

もっと早よ言えやー!!
このあたりから休憩するたびに、携帯酸素を使っていました。
10mも進むと息が上がってしまい、足が自分のものではないぐらいに重いのです。
とりあえずあの岩まで行ったら休憩して酸素を吸おう!などと休憩場所を決めて動き出す。を繰り返していました。すると、

なあなあ、酸素吸って20秒ぐらいしたら目がめっちゃ見えるで!!

ほんまやー、クッキリ見える!びっくりやな!
これはほんとに驚きました。
しっかりと焦点が合い、遠くもぶれずにしっかり見えます。
休憩を小刻みにはさみながら、ただただ登ります。

頭が痛い。。。ちょっと寝たい。。。

もう九合目着くし、そこで30分寝て。でも、日の出時間考えたら30分経ったら起こすで。
九合目到着。
このとき時刻02:10。
標高3,400m。
02:40に娘ちゃんを起こす。

起きれるか?頭痛どう?下に降りないと、この頭痛治らんと思うよ。

寝たら少しマシになったかな?でもまだ頭痛い!

でもここまで来て、引き返す選択肢ないで!!
父として安全を考えて降りようとも考えましたが、彼女の『絶対に登りきる』という意志が強かったので続行することに。
娘ちゃんのこの一言は、今でも鮮明に覚えています。
大きくなったなーと嬉しくなりました。
九合目⇒九合五勺
出発、このとき時刻02:50。
所要時間は30分と看板に書かれていますが、私は寝不足、娘ちゃんは頭痛、二人とも肉体的にボロボロ…。
九合五勺はなんとなく見える距離ですが、傾斜がキツく、遠くに…、感じる。
10m歩いては休憩、次はあの岩まで行ったら休憩とお互い励まし合いながら進む。
空気中の酸素をなるべく多く取り入れるために、

1,2,3,すぅ~(深呼吸)

1,2,3,すぅ~(深呼吸)
と、交互に言い合いながら深呼吸を促して、酸素を取り込む。もう永遠にこれを繰り返していました。

九合五勺着いたらロキソニン飲んでまた30分寝たい…

ええよー。また起こしたるから寝たらええ。
03:40、九合五勺に到着。
標高3,550m。
山小屋の前のベンチで娘ちゃん眠りだしました。
かなり心配です。
40分寝させてから起こしてみます。
このとき時刻04:20。

起きれるか?どうする?行けるか?

頭は痛いけど吐き気治まったし、行ける!!
九合五勺⇒頂上
残念ながらこの辺りで空は明るくなりだしてます。
もう贅沢なんて言ってられません。
なんとか頂上到達して、上からの景色を見たい!達成感を味わわせてやりたい!!
傾斜は相変わらずキツイですが、頂上目指して頑張るのみ。
頂上まであと少しのところに『山頂鳥居』があります。
頭が痛いにも関わらず、さすがに満面の笑みです。
山頂までもう少しです。
このとき山頂付近の気温3℃、風も吹いて真冬並みでした。
娘ちゃんは自分のダウンジャケットを着た上に、私のダウンジャケットを着込んでいます(笑)
万が一の為に、ネックウォーマーも持って来ていたのですが、

ロキソニン(痛み止め)と違って、ネックウォーマーええ仕事しよるわ♫
ですって。持って来て良かった♫
山頂
やっと、やっと、やっと…
頂上到達!!!長かった~。。。
このとき時刻05:40。
標高3,710m。
到着して最初の一枚。
なんていい顔するんだ。
疲労、安堵感、達成感が入り混じった顔です。よくやった!
娘とのいい思い出ができました。
本当に登って良かった。
娘ちゃん、笑っていますが顔真っ白です…。
この時も頭痛と吐き気がすごかったみたいです。
高山病による頭痛と吐き気は高度を下げないと治らないので小一時間休憩をとって、下山開始しました。

下山はロープウェイ用意しとけや!!
ってつぶやいてたね。。。
下山
登るときとは違い、下りは足をくじかないように、石を蹴飛ばさない(落石防止)ように気を付けて下ります。

頭が痛いの治ったー♫
と言い出したので、スピードアップ。
五合目到着、このとき時刻10:50。
約4時間で下山できました。
暑い、暑すぎる。
前日登る前は雨が降っていましたが、今日は快晴です。
13:00発のバスで水ヶ塚駐車場に戻ります。
12:30にバスに乗り発車を待っている間に2人共寝てしまい、13:40に到着するまで爆睡してしまいました。。。
とりあえずお風呂に入りたかったので、予め探しておいた温泉に寄ってゆっくり体をやすめ、ご飯を食べて、新富士インターから約3時間30分かけて自宅に戻ってきました。
高速道路の帰りの道中に眠気が襲ってこないか心配でしたが、娘ちゃんも気を使ってくれたのか、興奮状態だったのか、富士山での出来事をずっと横で話をして起きてくれていました。

富士山、もう当分ええな。
次の日の朝、足がツッた痛みで目が覚めたのは、内緒です。。。
富士登山・これあって良かったリスト
①ネックウォーマー
予想以上に体が冷えます。
登山で汗をかくけど休憩すると寒い。
首元から冷気が入るのを防いでくれます。
②トレッキングシューズ
普通の運動靴だったら絶対にケガをしていました。
そこそこ値段はしますが安全に勝るものなし。
③手袋・グローブ
寒さ対策にも活躍しましたが、疲れから手で岩を掴むことが多かったのでケガ防止に。
④トレッキングポール
両手に持つ杖です。
登りでももちろん活躍しますが、下りでの膝への負担減少とバランスの維持に。
⑤携帯酸素
ほんとに回復を助けてくれます。
吸うと呼吸が楽になり、最後の方は心の拠りどころなってました。
富士登山・これあったら良かったなリスト
荷物を降ろさずに行動しながら水分補給できる、チューブで給水するソフトタイプのボトル。
体がほんとにしんどくなってくるので、少しでも無駄なことをしたくなくなります。
これがあればもっと楽に水分補給できたと思います。
総評
なめていました。
かなり無謀な挑戦だったと反省してます。
改めて、富士山の大きさ、偉大さを痛感しました。
持ち物リストは作成し登山計画も立てたのですが休日の日数や都合で宿泊はできませんでした。
しかし、やはり各合目にある山小屋で仮眠を取って山頂での日の出に合わせて出発する宿泊登山がベストです。
今回のような弾丸登山は高山病のリスクが増大します。
素人ならなおさらです。
しかし今回登頂に成功したのは、娘の存在のおかげです。
『娘の頑張りを横で見れたこと』、『娘に達成感を味わって欲しかったこと』の2つのおかげで私自身も頑張れましたし、心も折れませんんでした。

娘ちゃん、来てくれてありがとう。

やっぱり俺も登りたい!

ええぇぇぇ~
少しでも富士山登頂を目指す方の参考になれば幸いです。
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